花木

バラ栽培 – 春から始めてみよう

前回の投稿からだいぶ空いて、もう春になってしまいました。。雨が多くガーデニング作業があまり進まない4月でしたが、これから暑くなってくるそうなので、いよいよシーズン真っ盛りです。

今回はバラについての記事を書こうと思います。
前々から育ててみたいと思ってはいたのですが、「育てるのが大変」、「大きなお庭が必要」というイメージがあり、なかなか手が出ませんでした。
しかし、春になりバラの話をたくさん聞いていると我慢できなくなり、苗を購入してしまいました。
私自身も初めて育てるので、勉強して、生育過程を観察しながら、まとめていきたいと思います。

最初にはっきりと言っておきますが、バラの花を綺麗に咲かせるのは大変です。これは間違いないです。
バラは「病害虫の被害を受けやすい」「花びらが落ちて汚くなる」「水管理が難しい」「数回の剪定が必要」「肥料分が多く必要」「トゲがある」と管理が大変な植物です。

しかし、庭の大きさはそれほど必要ではありませんでした。バラには多くの品種があり、コンパクトなものを選べば、小さい花壇や鉢植えで十分育てることができます
また、近年の新品種は住宅事情に合わせて、コンパクトなものが多く作られています。
また、耐病性があるもの、トゲが少ないもの、肥料分が少なくても多くの花をつけるものとデメリットを克服する品種がたくさん作られております。

数多くの良い品種を選べる現在こそ、バラを始めるタイミングだと思いました。
また、どんな家庭でも1本は育ててみたほうが良いと思います。
バラは育てるのが大変な植物ですが、病害虫対策、水管理、剪定、肥料管理とガーデニングで必要なことが一通り必要となるので、ガーデニングのレベルを一気に上げることができます

そしてバラは見ごたえがある植物です。こんなに花が美しく、香りの良い植物は他にはありません。
また、強い植物なので、弱ることはあっても、完全に枯れることは少ない植物でもあります。

これから、きれいな花の時期になるので、この春から皆さんも始めてみましょう。

はじめにバラを購入する

バラは割とどこでも購入することができます。
ホームセンターや園芸店、花屋に行けばだいたいあります。
購入するときに多くの人が品種に迷うことになると思います。
なぜなら、バラにはとんでもなく、多くの品種が存在するからです。
選ぶのが面倒になり、適当に選んでしまう場合もあるでしょう。
しかし、バラの品種を適当に選んでしまうと後々後悔することになります

他の草花と比較して、バラは品種により、特製が変わる植物です。
花形、花色、香りと要素が多すぎて、選ぶのが難しいと思います。

大丈夫です。
初心者の方で、ご家庭で育てる場合、次の3つのポイントを意識して、選ぶと良いでしょう。

  • 樹形を決める
  • モダンローズを選ぶ
  • 樹勢・耐病性の高い品種を選ぶ
  • 大苗を選ぶ

それでは順番に見ていきましょう!

樹形を決める

畑や大きな庭園ではなく、限られた敷地で育てる場合、まず優先すべきは樹形です。

クライミング(つる性)、シュラブ(半つる性)、ブッシュ(木立性)とバラの樹形を大きく分けるとこの3つになります。
バラの購入時にラベルをよく見ると書いていることが多いです。

この中で選ぶべきなのは、シュラブ、ブッシュの品種です。
クライミングは思っている以上に大きくなり、場所を確保しづらくなります。
また、つる状なので、アーチやフェンスといった構造物に絡ませる必要があり、この構造物の準備とつるの誘引作業が非常に大変なので、初心者が手を出すようなものではありません

クライミング(つる性)

3~5mぐらいの大型樹形になる品種です。
また、ランブラーと呼ばれるさらに大きくなる品種もあります。

つる性で構造物への誘引作業が必須になります。
先端の方に花をつける性質があるので、株元には花が付きづらく、大きく育てて花をつける必要があります。
きれいに誘引すると最も見ごたえがある樹形だと思いますが、管理には場所と経験が必要になります。

シュラブ(半つる性)

1~2mぐらいの中型樹形になる品種です。

半つる性で基本は木立ですが、つるを伸ばして一部を誘引することもできます。
四季咲き性が強いので、春だけなく、秋にもしっかりと株元までしっかりと花を付けます

ちなみに四季咲きとは春、夏、秋にも花をつける性質のことです。バラの場合は、夏は花が小さくなってしまうので、春と秋に楽しむのが一般的です。
この逆が春にだけ花を付ける一季咲きになります。

コンパクトにすることも、つるの誘引を楽しむこともできる品種です。
多くの仕立て方を選べるので、この樹形はおすすめです

ブッシュ(木立性)

1m程度の小型樹形になる品種です。

完全に木立で、つるが伸びることはありません。
この品種も四季咲き性が強く、春だけなく、秋にもしっかりと株元までしっかりと花を付けます
コンパクトでありながらも、見ごたえのある花を楽しむことができます。

モダンローズを選ぶ

バラの品種には昔から存在するオールドローズと、近年開発されたモダンローズという分類があります。
オールドローズはバラのラベルに基本的に書いていますので、何も記載がなければモダンローズと思っていただいて良いです。

オールドローズは長年愛されている品種で好きな方も多いのですが、近年の品種と比較すると耐病性が弱いので、管理が大変になります。
また、基本的に一季咲きなので、花を楽しむ期間が短くなります

初心者の方であれば、モダンローズを選びましょう。

樹勢・耐病性の高い品種を選ぶ

花型、色、香りも大事ですが、初心者の方が優先すべきは樹勢・耐病性の高い品種です。
バラは長年育てていく樹木ですので、管理が楽で失敗が少ないことは非常に重要です。

近年開発されている品種はこの点を意識したものが多く、農薬を必要としない品種すらあります。

オススメなのは高額になってしまいますが、メーカー苗です。
ロサオリエンティス、デビッド・オースチン、デルバール等、国産、外国産の品種が多く流通しております。

初期投資だと思って、こういったメーカー苗の最近の品種を選んでおけば、後々管理が楽になり、見ごたえのある花を楽しむことができます。

大苗を選ぶ

バラの苗には冬から販売が始まる大苗(2年生)と、春から販売が始まる新苗(1年生)があります。

大苗の方が1年分多く育てられいる分、値段が高くなります。
しかし、バラの花を見ることができるは少なくとも2年目からなので、新苗を購入すると1年間我慢することになります
ちなみに花をしっかり楽しむことができるのは、成木(3年目以降)からになります。

初心者の方はすぐ花を見たいと思いますので、大苗を選んだをほうが良いです
慣れてきたら、新苗に挑戦してみましょう。

バラを育てる

年間スケジュール

  • 12~2月:冬剪定、植え替え
  • 4~6月:開花、花後剪定、鉢増し(可能)
  • 6月:鉢増し(可能)
  • 8~9月:夏剪定
  • 8月:鉢増し(可能)
  • 10~11月:開花、花後剪定

品種による違いはありますが、大まかにはこのようなスケジュールになります。

植え付け

いよいよ植え付けです。
苗は年間を通して販売があり、真夏以外は植え付け可能です。
バラは落葉樹なので、基本的に冬の植え付けが最も良いです。
新苗が出てくる春の植え付けも良くやられるので、問題ないです。

植え付けには次の2つがあります。

  • 鉢植え
  • 地植え

それぞれ見ていきましょう。

鉢植え

バラの成木を育てる場合は、少なくとも8号以上の鉢を用意しましょう。
もちろん、鉢のサイズが大きいほど木が大きく、花数が多くなります。
購入したばかりの苗は少しずつサイズをあげていきましょう。

鉢植えのメリットはまず、生育が早いことです。
植物は土が乾く、湿るを繰り返すことで、根が張り、大きく育っていきます。
鉢植えは乾きやすいので、必然的に生育が早くなります。
注意点として、いきなり大きいサイズの鉢に植えるのはやめましょう。
小さい苗を大きいサイズの鉢に植えると土が乾かなくなり、生育が悪くなってしまいます。
細かく鉢増しして、サイズアップしていくのがポイントです。

次のメリットが移動できることです。
季節ごとに場所を変えることで適切な日当たりを保つことができ、春の生育、夏越しをやり易くなります。
また、雨が当たらない場所で管理することで病気の発生を大幅に下げることもできます

デメリットとしては、水やりが大変、鉢や培養土の購入が必要といったことがあげられます。

ウチでは今回、大苗でシャルール(ロサオリエンティス)、ダナヒュー(デビッド・オースチン)、新苗でブルームーンを育てることにしました。

購入したばかりの苗は根が崩れやすいので、大苗は一番花が終わった後に植え替えるのが良いでしょう
新苗は簡易的なポットに入っていることが多いので、すぐに植え替えましょう

鉢(ロングポットの方が良い)を用意して、培養土を入れていきます。
この時、鉢の底の方に有機肥料を入れた層を作っておくと生育が良くなります。根が当たらないような位置に入れておくのがポイントです。

地植え

バラは地植えするとたくさんの水分と養分を吸収して、大きく育ちます。
もちろん、大きく育った方が木のボリュームがあり、花数も大きくなるので見ごたえがあります。
思っているよりも大きく育つので、場所の確保が必要です。狭い隙間に植えると後々、後悔することになります。

地植えのメリットはまず、水やりが楽なことです。
基本的に夏場以外であれば、ほとんど必要ありません
しかし、苗のうちはまだ根が張っていないので、定期的な水やりが必要になります。

次のメリットが鉢や培養土のコストがかからないことです。
鉢植えの逆になりますが、鉢や培養土を準備する必要がない分、安くすみます

デメリットとしては動かすことができないので、日当たりや雨の調整ができず、病害虫の被害が出やすくなります

ウチでは今回、大苗でトロイメライ(ロサオリエンティス)を育てることにしました。

まず植え付ける場所に40~50cm四方の穴を掘ります。
大変ですが、頑張ってください。

次に掘った穴に水を入れて、水はけを確認しましょう。
スッと水が抜けるようであれば問題ありません。
抜けないようであれば、水はけの良い鹿沼土等の改良剤を入れましょう

穴に培養土を入れていきます。
培養土だけだとコストがかかるので、堆肥、赤玉土を混ぜて使いましょう。
掘った土を戻しても良いですが、培養土の入れ替えたほうが生育が良いです。
鉢植えと同じように土を2層に分けます。
根が当たらない下の層には有機肥料を土に混ぜます
上の層には有機肥料を入れないようにします。

バラの苗を植えたら、少し高く山型にします(高畝)
周りに少し溝を掘り、ウォータスペースを作るのがポイントです
これを作らないと水やりの時に水が溜まらないので、根にしっかりと水が届かなくなります。

ピンチ

植え付け後の苗はまず生育することが重要です。
そのため、今年の花は諦めて、新芽の先端のピンチ(切る)が必要です。
特に新苗に花を付かせると生育が悪くなります

とは言え、やはり少しは花を見たいので、私は大苗は2~3個ほど残しました。。

このように新芽の先端を手で切ります。
既に蕾が付いているようであれば、ハサミで切ります。

もったいない気がしますが、やりましょう。
花を楽しむのはあくまでも成木(大苗の次の年)からです。

最後に

さてバラを始めるときに一通りの流れを説明させて頂きました。
私もこれからたくさん勉強して、大きく育てていこうと思いますので、皆さん一緒に頑張りましょう!