果樹

イチゴ・ブルーベリーの摘花 – 最後の仕上げ

4月下旬でちょっと暑くなってきました。
我が家ではイチゴとブルーベリーを育てていて、もうしばらくすると収穫シーズンになります。
人気の果物なので、育てているご家庭も多いと思います。

さてこの時期にやっておかなければならないこと、それが摘花(摘果)です。
せっかくたくさん付いたのに、取ってしまうの!?っと思うことでしょう。
しかし、そのまま放置して自由に実を付かせてしまうと栄養分をたくさん使ってしまい、株が弱って良い実が収穫できなくなってしまいます

どの植物もそうですが、花・種を付けることは、最も栄養分を使う行為になります。
蕾が付いた時点から栄養分を使い始め、開花、実と徐々に栄養分を使っていくので、できるだけ早い段階で、数を減らすことで、消費する栄養分を抑えることができます。

たくさん実を付けると栄養分が分散され、1つ1つが小さく美味しくない実に成ってしまいます。
過剰な栄養分を使った上に、美味しい実を収穫することができない、こんな悲しいことはありません。
また、過剰に栄養分を使ってしまうと、株自体が弱ってしまうため、来年の美付きにも影響してしまいます。

そのため、この時期に摘花をしっかりすることで今年の収穫をより良くして、来年以降も実を付けさせるこことができます。
一見もったいない気がしますが、今後のために非常に重要な作業なので、皆さん一緒にやってみましょう!

イチゴの仕上げ

イチゴの摘果

この時期になるとイチゴが小さい実を付け始めるころだと思います。
我が家の状況はこんな感じです。

たくさん小さな実が付いていて、収穫が楽しみです。
しかし、これは付きすぎです。
この実を付けてしまうと小さく美味しくない実に成ってしまいます。

では摘果していきましょう。
付いている実をたどっていくとどの茎から伸びているのかが分かります。
イチゴは株元からたくさんの茎を放射状に出して、その茎に実や葉を付けます。
摘果の目安として、この茎1本に対して実は3つまでにするのが良いでしょう。

手で実が固まっているところを見つけて、余分な実を手でちぎってしまいます。
実が小さいほど栄養分がとられる前なので早め早めに取っておきましょう

イチゴは実に成らない花もありますので、あくまでも小さい実が確認できた段階で行ってください。
花の段階でやってしまうと実ができなくなるかもしれません。

葉の除去・ランナー除去

この時期に摘果と合わせてやっておいた方が良い作業が葉とランナーの除去です。

まず葉ですが、良く株を見ていると「株を覆うように大きくなっている葉」や「株元に黄色く痛んだ葉」があります。

株を覆うように大きすぎる葉は光を遮り、株の成長を邪魔してしまうので除去したほうが良いです。
しかし、取り過ぎてしまうと逆に光合成できなくなってしまうので、光を通すことを目的に数枚とる程度にしてください。
また、新しい葉ではなく、少し古くなった葉を選ぶと良いです。
少し葉の色が濃くなっているので、すぐに見分けが付きます。

次に株元に黄色く痛んだ葉ですが、これは病気になっている葉です。
放置すると他の葉に移ることがありますので、すぐにとってしまいましょう。
ゆっくりと手で引っ張れば、株元から抜くことができます。

葉のメンテナンスが終わったら、次はランナーです。
この時期から秋までイチゴはランナーを出してくるので、定期的に確認して手でちぎってしまいましょう。

このランナーは新しい子株を作るための伸ばすもので非常に多くの栄養分を使っています。
ランナーを放置するとそっちに栄養分を取られてしまい、花や実の栄養分が少なくなってしまいます
梅雨に子株を作るときはこのランナーが必要になるのですが、春は実に全力集中させるために、ひたすら切ってください。

ブルーベリーの仕上げ

ブルーベリーの摘花

続いてブルーベリーです。
我が家の状況はこんな感じです。

たくさん付きました。
しかし、これも付きすぎなので、この時点で摘花が必要です。

ブルーベリーの実の生育で重要なのが、実に光がしっかり当たることです。
写真のようにギュウギュウに実が付いてしまうと光がうまく当たらなくなってしまいますし、隣の実とぶつかるので大きい実になりません

1個間隔でスペースを作るためにハサミで摘花し、半分ぐらいにするのが良いでしょう。

ちょっともったいないですし、手間な作業です。
しかし、このひと手間で食べ応えのある美味しい実を収穫できるようになります。

また、下の写真のように2つの房が隣り合っている場合があります。
このような場合は2つの房を1つのブロックとイメージして、それぞれ実が重ならないようにスペースを取るように摘花します。

摘花した後は実ができるのを待つだけです。
この時期ぐらいから鳥対策を意識する必要がありますので、なるべく防鳥ネットを付けるようにしましょう。

マルベリーの仕上げ(おまけ)

あまり育てている人はいない思いますが、ウチではホワイトマルベリー(桑)を育てているので、一応この摘花もお見せ致します。

マルベリーは株の上部から花を付けて、実になっていきます。
ブルーベリーと同じように実が窮屈にならないようにスペースを取る必要があります。
目安として半分ぐらいに落としてしまいましょう。

マルベリーも甘い実を付ける植物です。
特にこのホワイトマルベリーは糖度が高い実を付けるのでオススメです。
木は少し地味ですが、興味がある方は一度育ててみても良いと思います。

最後に

いかがだったでしょうか。
摘花はせっかくできた実をとってしまうので、すごくもったいない気がしますが、大抵の野菜や果樹では必要になる作業です。
この摘花を適切に行うことができるようになれば、ガーデニングのレベルも1段階上がることになりますので、少しずつ身につけていきましょう!