こんにちわ、10月に入って朝晩はぐっと涼しくなってきましたね。
夏を越えたクリスマスローズの株元をのぞくと、黄色や茶色に傷んだ葉が目立っていませんか。クリスマスローズは冬から早春に咲くので、10月と11月は肥料をしっかり吸って、花を咲かせる株を作る時期です。今回は、傷んだ葉と古い葉を取り除いて新芽に光を当てる作業と、秋の肥料やり、株分けのやり方をまとめました。
あわせて、9月に夏バテで葉が黄色くなっていた株の、約1か月後の回復の経過も紹介します。

結論

クリスマスローズは10月に、夏に傷んだ葉と古い葉を剪定ばさみで付け根から切り、株の周り3〜4か所に有機肥料を一握り与えると、株元から上がる新芽に光が当たり、冬から早春の花に向けて株が充実します。

10月〜11月は肥料をよく吸う時期で、植え付け・植え替え・株分けのベストシーズンでもあります。

ただし、夏バテで弱った株は別です。黄色い葉が緑に戻り、株元に新芽が見えてから肥料を与えます。

やることは3つ。
①黄色や茶色に傷んだ葉、地面に寝た古い葉を、剪定ばさみで葉柄の付け根から切る
②一株あたり一握りの有機肥料を、株の周りの3〜4か所に分けて置く
③大きくなりすぎた株は、掘り上げて株元を2〜3等分に株分けする(数年に一度)

やらないことは2つ。
①回復していない株に肥料を与える(弱った根を傷めます)
②色の戻らない葉を、新芽が開く前に切ってしまう(光合成する葉がなくなります)

今回作業した株の環境です。原種系は野生の種に近い性質を残した系統、ガーデンハイブリッドは交配で作られた園芸品種のことです。

地域茨城県(関東平地)
品種アイガー(原種系)、ピンクフロスト(ガーデンハイブリッド・氷のバラシリーズ)ほか。回復経過は実生(みしょう。種から育てた株)の2年目の株
植え方地植え(日陰の花壇と、日陰の木の根元。実生株のみ西日が当たる砂利敷き)
作業日2026年10月6日(株分けはアイガーで2024年10月13日に実施)

クリスマスローズ10月の管理|古葉取りと肥料が要る理由

クリスマスローズは、もともとヨーロッパの山地に自生する植物を原種としています。涼しい気候を好むので、日本の夏の暑さと蒸れがとても苦手です。どんなに気をつけて夏を越しても、弱った葉や古くなった葉は必ず傷んできます。

一方で、10月に入ると株が動き出し、株元から新しい芽が上がってきます。この時期の新芽をしっかり展開させることが、冬から早春の花につながります。傷んだ葉を残したままだと株元が覆われ、新芽に光が当たらず、風通しも悪くなるので、ここで取り除いておきます。

そして10月と11月は、花を咲かせる力をこの秋のうちに蓄える時期です。葉の整理で新芽に光を当て、肥料で新芽の展開を支える。この2つをセットで行います。

夏越しで傷んだ葉・古葉の取り方

作業前の花壇です。夏のあいだに外側の葉が倒れて重なり、株元がほとんど見えない状態になっていました。

手入れ前のクリスマスローズの花壇。夏越しで倒れた古い葉が重なり株元が見えない
手入れ前の花壇。丸太で縁取った花壇の手前に、クリスマスローズを2株植えています。倒れた古い葉が重なって、株元が隠れています

①傷んだ葉と地面に寝た古葉を見つける

取り除くのは、黄色や茶色に変色した葉、まだらに傷んだ葉、地面に寝てしまった古い葉です。地面に張り付いた葉は、湿気がこもって株元が蒸れる原因になるので優先して取ります。

地面に張り付き、黄緑から紫褐色にまだらに傷んだクリスマスローズの古い葉
地面に寝て、黄緑から紫褐色にまだらに傷んだ葉。夏の蒸れで傷んだ葉の典型で、取り除く対象です

②葉柄の付け根から切り取る

傷んだ葉は、葉柄(ようへい。葉と株元をつなぐ茎)の付け根から切ります。クリスマスローズの茎はかなり硬いので、小さな葉でも手でちぎらず、すべて剪定ばさみで切ります。

手袋をした手で黄色く変色したクリスマスローズの葉を持ち上げ、切る葉を確かめているところ
黄色くなった葉を手で持ち上げて、どの葉柄かを確かめます。切るのは剪定ばさみで、上の濃い緑の葉は残します

剪定ばさみは、株元の近くまで差し入れて切ります。

剪定ばさみでクリスマスローズの傷んだ葉の葉柄を株元近くで切るところ
外側に倒れた傷んだ葉の葉柄を、株元の近くで剪定ばさみで切ります

③株元の新芽に光を当てる

傷んだ葉を取ると、株元から上がってきた新芽が見えてきます。この新芽に光が当たるようにするのが、今回の葉の整理の目的です。新芽が光を受けてしっかり展開すると、その葉が冬から春の花を支える株を作ります。

手袋をした手で葉をよけ、クリスマスローズの株元から出た新芽を見せているところ
葉をよけると、株元から白っぽい新芽と若い葉が上がってきていました。ここに光が届くようにします

葉を取り、肥料を与えたあとの花壇です。株元に光が入り、土が見えるくらいすっきりしました。

傷んだ葉と古葉を取り除いて株元がすっきりしたクリスマスローズの花壇
葉を取り、肥料を与えたあとの花壇。土の上に見える白い粒は、肥料と一緒に混ぜた石灰とゼオライトです

10月〜11月の肥料|有機肥料を株の周りに一握り

葉を整理したら、肥料を与えます。有機肥料を一株あたり一握りくらい、株元に直接ではなく、株の周りの3〜4か所に分けて置きます。根は株の周りに広がっているので、分けて置くと根全体が肥料を吸いやすく、1か所に肥料が固まって根を傷めることもありません。

有機肥料と一緒に、石灰・バーク堆肥・ゼオライトも混ぜ込んでいます。必ず全部そろえる必要はありませんが、いつもこの組み合わせで与えています。それぞれの役割は次のとおりです。

  • 石灰:主な目的はカルシウムの補給。肥料として与えています。雨で酸性に傾いた土を中和する働きもあります
  • バーク堆肥:樹皮を発酵させた植物性の堆肥。土をふかふかにして、根が伸びやすく水はけの良い土にします。堆肥を混ぜるなら、牛糞などの動物性ではなく、土壌改良になる植物性の堆肥がおすすめです
  • ゼオライト:多孔質の鉱物。肥料分を抱え込んで流れにくくし、根の周りの環境を整えます

別の場所の株でも同じ作業をしました。こちらは同じく日陰の、木の根元に植えている株で、下葉が黄色くなり、枯れ葉もたまっていました。

木の根元に植えたクリスマスローズの手入れ前。下葉が黄色くなり枯れ葉がたまっている
木の根元に植えている株の手入れ前。下のほうの葉が黄色くなり、枯れ葉もたまっています
傷んだ葉を取り、有機肥料とバーク堆肥・石灰・ゼオライトを混ぜ込んだクリスマスローズの株元
手入れ後。傷んだ葉を取り、有機肥料と一緒にバーク堆肥・石灰・ゼオライトを混ぜ込みました。周りの黒っぽい土がバーク堆肥です

夏バテ株の回復と肥料|葉が緑に戻り新芽も出た

9月の記事(葉が黄色い原因と回復作業)で紹介した、西日と暑さで葉が黄色くなった実生の株のその後です。9月3日の時点で弱っていることに気づき、ミリオンと活力剤で手当てして、涼しくなるのを待っていました。

約1か月たった10月6日、黄色くなっていた葉がだいぶ緑色に戻ってきました。

夏バテから回復中のクリスマスローズ。奥の葉は緑に戻り、手前に黄緑色の葉が1枚残っている
10月6日の実生株。奥の葉は濃い緑に戻りました。手前の黄緑色の葉だけが、まだ色が戻りきっていません

そして株元をのぞくと、新しい芽が出てきていました。夏に弱っていた株が、秋になって再び動き出したサインです。

回復中のクリスマスローズの株元から出てきた新芽。砂利敷きの地植え
砂利敷きの株元から出てきた新芽。緑に戻った大きな葉の下で、新しい葉が開き始めています

黄色いまま、なかなか緑に戻らない葉が1枚残っています。この葉は今すぐには切らず、下から上がってくる新芽がしっかり展開してから切ります。新芽が開くまでは、色が薄くてもこの葉が株を支える葉の一枚だからです。

ここまで回復したので、この株の周りにも、ほかの株と同じように有機肥料をしっかり与えました。9月の早い時期に弱っている株に気づいて手当てしておいたことで、肥料のシーズンに入ったときに、きちんと肥料を吸える状態に戻せました。

10〜11月は株分けの適期|大株は数年に一度

秋は株が動き出して根が伸びる時期なので、根を切ったり植え替えたりしても、冬までに新しい根を張って落ち着きます。

クリスマスローズは年々株が大きくなり、大きくなりすぎると株の真ん中の部分に日が当たらなくなります。株分けをすると、その真ん中だったところにもしっかり日が当たるようになるので、大きくなった株は数年に一回は株分けします。

株分けの手順|掘り上げて根元を2〜3等分に

株分けの手順はとても簡単です。株を土から掘り出して、根の株元の部分を2等分か3等分に分けるだけです。2024年10月13日に、原種系のアイガーを株分けしました。

株分け前に掘り上げたクリスマスローズ・アイガーの株。細い根が土をしっかり抱えている
2024年10月、株分け前のアイガー。たくさんの葉柄が立ち上がり、根が土をしっかり抱えています。株元には赤みのある新芽も見えます

分けるときは、それぞれの株に新芽と根が付くように株元の切れ目を探して分けます。芽と根がそろっていれば、分けた株がそれぞれ一株として育っていきます。分けた株元の切り口には、病気が入らないようトップジンMペーストを塗ります。

3つに株分けしたクリスマスローズ・アイガー。切り口にトップジンMペーストを塗っている
2024年10月、3株に分けたアイガー。切り口にはトップジンMペースト(オレンジ色の癒合剤。切り口から病気が入るのを防ぐ)を塗っています

苗選び|初心者には原種系とガーデンハイブリッド

苗の植え付けもこの時期が適期です。初心者には、クリスマスローズの中でも強い原種系とガーデンハイブリッドを選びます。

原種系の中でいちばんメジャーなのはニゲルです。最初の一株なら、ニゲルのような原種系がおすすめです。2024年に株分けしたアイガーも原種系です。

原種系以外では、ガーデンハイブリッドも、とても強く育てやすい品種がそろっています。

原種系は咲くのが早く、ガーデンハイブリッドは少し遅れて咲きます。スペースに余裕があれば原種系とガーデンハイブリッドを両方植えておくと、順を追って開花し、長い期間花を楽しめます。

ガーデンハイブリッドなら氷のバラシリーズ。花がとても綺麗で株が強く、育てやすいシリーズです。実際に育てているピンクフロストも、この氷のバラシリーズの品種です。

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  • クリスマスローズ原種系の苗(楽天/Amazon) ニゲルなど、早く咲く系統。株が強く、最初の一株に向いています
  • クリスマスローズ 氷のバラシリーズの苗(楽天/Amazon) ガーデンハイブリッドの中でも花が綺麗で育てやすいシリーズです

苗の大きさや、開花株かどうかは店によって違うので、検索結果から選んでください。

クリスマスローズの秋の手入れでよくある失敗

夏バテで弱った株にすぐ肥料を与えてしまう

10月だからと、黄色い葉のままの株にも同じように肥料を与えると、弱った根に負担をかけます。弱った株は、葉の色が戻り、株元に新芽が見えてから肥料を与えます。今回の実生株も、新芽を確認してから施肥しました。

傷んだ葉を残して株元を覆ったままにしてしまう

夏に倒れた葉をそのままにすると、株元に湿気がこもって蒸れ、上がってきた新芽にも光が届きません。新芽が動き出す10月のうちに、傷んだ葉と古い葉は付け根から取り除いておきます。

色の戻らない葉を急いで切ってしまう

回復途中の株は葉の枚数が少ないので、黄色い葉をすぐ切ると、光合成する葉がほとんどなくなってしまいます。色の戻らない葉は、新芽が開いてから切ります。

まとめ|今週末やること

クリスマスローズは、10月と11月に肥料をよく吸い、株元から新芽が上がってきます。夏越しで傷んだ葉は剪定ばさみで切って、株の周りに有機肥料を分けて与えることで、冬から早春の花に向けた株を作ります。夏バテで弱った株は、葉の色と新芽で回復を確かめてから肥料を与えます。大きくなりすぎた株は、この時期に数年に一度の株分けをします。

今週末は、株元の傷んだ葉と古い葉を付け根から取り除き、新芽に光を当ててから、株の周りに有機肥料を一握り与えます。

使った道具

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  • 千吉 剪定ばさみ(楽天/Amazon) 株元近くまで刃を差し入れて、傷んだ葉の葉柄を付け根から切るのに使いました
  • トップジンMペースト(癒合剤)(楽天/Amazon) 株分けで切り分けた株元の切り口に塗って、病気が入るのを防ぎました

肥料は有機肥料を使い、石灰・バーク堆肥・ゼオライトを一緒に混ぜ込んでいます。

次に読む

今回の実生株が9月にどんな状態だったか、黄色い葉の原因の見分け方と、9月に行った手当てはこちらです。
→ クリスマスローズの葉が黄色い原因|9月の見分け方と回復作業