こんにちわ、朝晩の冷え込みが少しずつ強くなり、園芸店には球根や秋の苗がそろう季節になりました。秋の庭づくりシリーズでは、一年草の種まき、庭木の選び方、多年草・宿根草の選び方、球根の植え付けと4回に分けて書いてきました。庭づくりは、苗を植えて根を張らせやすい秋から始めるのがいちばんの基本です。ただ、何をどこに植えるかの前に、まず庭のどこに花壇をつくるのかを決めないと、選んだ植物がその場所に合わずに弱ってしまいます。この記事では、日当たりと向きで場所の特性をつかむところから、4つの植物群をどの順番で、どのくらいの割合で植えるかまでをまとめました。

結論

庭づくりは秋に、まず花壇や鉢を置く場所の日当たりと向きを確かめるところから始めます。南向きの場所があれば花壇にするのがベストです。ただし、南向きがコンクリートなら別で、鉢植えの果樹の置き場と苗の育苗場所に使います。次におすすめなのは朝日が当たる東向きです。西向きは強い西日で乾燥するので乾燥に強い植物、北向きには日陰に強い植物を選びます。塀に囲まれて日がほとんど当たらない場所はシェードガーデンにし、オベリスクや置物も配置します。そのうえで、庭木で骨格をつくり、多年草・宿根草で肉付けをして、残った場所に一年草と球根を植えます。割合の目安は庭木1〜2割、多年草・宿根草2〜4割、残りを一年草と球根です。

やることは3つ。①花壇や鉢を置く場所が南・東・西・北のどの向きか、塀に囲まれて日陰になる場所かを書き出す、②庭木を花壇の1〜2割に配置して骨格を決める、③多年草・宿根草で2〜4割を埋め、残りに一年草と球根を入れる。やらないことは2つ。場所の特性を見ずに植物を選ぶこと(苦手な日当たりや乾き方の場所で弱る)、低木を多く入れすぎること(管理は楽でも木ばかりになり、華やかさが出ない)です。

向きごとの使い方の前提として、この記事で紹介する庭の場所の内訳をまとめました。

項目内容
地域茨城県(関東平地)
南向きの場所全面コンクリート。鉢植えの果樹と、育苗の場所に使っている
南向き以外の花壇ブロック塀沿いの花壇、石組みの花壇、塀に囲まれた日陰の場所(シェードガーデン)
写真シリーズ4記事で紹介した庭の写真(2023〜2026年撮影)

まず花壇をつくる場所の日当たりを決める

家や庭によって、場所ごとに南向き、東向き、西向き、北向きと向きが違い、日の当たり方も変わります。植物は一度植えるとその場所の光と乾き方の中で育つので、花壇をつくる場所や鉢を置く場所が、どんな特性を持っているかをしっかり把握することが庭づくりの最初の一歩です。向きごとの特性を、おすすめの順に次の表にまとめました。自分の庭で同じ向きの場所を探し、右の列を植物選びの目安にしてください。

おすすめ順場所特性向いている使い方
1南向きいちばん日が当たり、植物がよく育つ花壇にするのがベスト。コンクリートなら鉢植えと育苗の場所にする
2東向き朝日がしっかり当たり、日差しはそれほど強くない花壇におすすめ
3西向き夕方に強い西日が当たり、とても乾燥する乾燥に強い植物を植える
4北向きほとんど日が当たらない日陰に強い植物を植える
5塀に囲まれた場所日がほとんど当たらず、環境がいちばんよくないシェードガーデンにし、オベリスクや置物も配置する

南向きは花壇のベスト。コンクリートなら鉢植えに

方向としていちばんおすすめなのは南向きです。いちばん日が当たるので、南向きの場所があれば、そこを花壇にするのがベストです。植物がよく育ちます。

我が家にも南向きの場所はありますが、全部コンクリートで固められていて、花壇をつくることはできません。それでも諦めなくて大丈夫です。私はここを全部鉢植えの場所にして、鉢植えで育てる果樹を置いています。日当たりのいちばんよい南側は、庭に植える前の苗や、種まきした苗の育苗にも使っています。

東向きは朝日が当たるのでおすすめ

その次におすすめなのが東向きです。朝日がしっかり当たり、日差しもそれほど強くないので、東向きの場所があるなら、そこも花壇におすすめです。

西向きは乾燥に強い植物を

その次が西向きです。夕方になると日が当たりますが、強い西日が当たるので、とても乾燥するエリアになります。ここには乾燥に強い植物を植えるのがよいと思います。宿根草なら、乾燥にとても強いサルビアやアガパンサスがこうした場所でもうまく育ちます。

北向きは日陰に強い植物を

その次が北向きです。北向きはほとんど日が当たらないので、どちらかというと日陰に強い植物を植えた方がよいと思います。日陰でも花が咲くアスチルベやペンステモン、葉を楽しむヒューケラやホスタが候補です。

塀に囲まれた日陰はシェードガーデンと置物で

いちばん環境がよくないのが、塀などに囲まれて日がほとんど当たらない場所です。ここは日陰に強い植物で固めたシェードガーデン(葉を中心にした日陰の庭)にします。塀に囲まれた場所には、日陰でも花が咲くバラのダナヒューを植え、足元をホスタやヒューケラ、斑入りのツワブキで囲んでいます。

塀に囲まれたシェードガーデンで咲くバラのダナヒューと足元のカラーリーフ
5月のシェードガーデン。塀に囲まれた場所でダナヒューが咲き、足元をホスタやヒューケラ、斑入りのツワブキ、ヘデラの葉で囲んでいます。

また、全部を植物で埋める必要はありません。オベリスク(つる植物を絡ませる塔形の支柱)や置物などのモニュメントを配置するのもよいと思います。植物だけで庭をつくる必要はないので、日が当たらない場所はこうした物で見どころをつくります。

4つの植物群を植える順番と割合

場所の特性がつかめたら、シリーズで紹介した4つの植物群をそれぞれ植えていきます。植えた後に動かしにくいものから順に決めるのが基本です。花壇全体に対する割合の目安と、くわしく書いた記事を次の表にまとめました。

順番植物群役割花壇に占める割合くわしい記事
1庭木(低木・花木・果樹)骨格1〜2割低木の選び方
2多年草・宿根草肉付け2〜4割宿根草と多年草の選び方
3一年草・球根残った場所を季節の花で埋める残り(4〜7割)秋まき草花の種まき/秋植え球根の植え付け

①庭木で骨格をつくる

最初に植えるのは庭木です。同じ場所で年を重ね、簡単には移せないので、庭の骨格になります。花壇の1〜2割を目安に、植えたい場所の広さと成長後の高さ・枝の広がる幅を見て配置します。植え付けは10〜11月。寒さが来る前に少しでも根を伸ばすと、翌春の芽吹きがよくなるからです。木の選び方と葉色の組み合わせはバラと果樹の庭に合う低木の選び方に書いています。

バラを植え付けたあとのブロック塀沿いの花壇
10月11日にバラ「クラバート」を植えた、ブロック塀沿いの花壇。黒いフェンスの前に新しい株が加わりました。

②多年草・宿根草で肉付けする

庭木の次に植えるのが多年草・宿根草です。これも長年同じ場所で育つので、庭の肉付けという意味合いがあります。花壇の2〜4割を目安に、完成形の大きさ・日当たり・乾燥か湿気かの3つで場所を決めます。植え付けは10〜11月です。選び方とおすすめの種類は宿根草と多年草の違いと選び方で紹介しています。

③残った場所に一年草と球根を入れる

庭木と多年草・宿根草で場所が決まったら、残った部分に一年草と球根を植えていきます。一年草は8〜9月に種をまいて3号鉢まで育て、霜が降りなくなってから植えます。秋植え球根は10月中に買っておき、11月から12月上旬に植えます。球根を入れるときは、地上部が消えて休んでいる宿根草の上に植えないようにします。葉がなくても根は生きているからです。育て方は秋まき草花5種をセルトレイで育てると秋植え球根の植え付け時期は11月からにまとめています。

デージー『タッソー ストロベリー&クリーム』の種袋と72穴セルトレイ
9月の種まき。デージーの種袋と72穴セルトレイ。同じ日に5種類の草花をまきました。
塀ぎわの花壇で咲く白と赤紫のラナンキュラスと黄色いチューリップ、青いムスカリ
4月の塀ぎわの花壇。ラナンキュラスの奥に黄色いチューリップ、足元に青いムスカリが咲いています。

割合は管理にかけられる時間で決める

多年草・宿根草の割合に2〜4割と幅を持たせているのは、庭の手入れにかけられる時間で変えてよいからです。私はガーデニングに取れる時間があまりないので、管理が少なくて済む多年草・宿根草を多く入れた庭にしています。

低木もたくさん入れると管理は楽になります。ただ、木ばかりになると、あまり華やかではない庭になってしまいます。だから低木はある程度抑え気味にして、多年草・宿根草を活用するのがよいと思います。

こんな人割合の考え方
花をたくさん植え替えて楽しみたい一年草と球根の割合を上げる
管理する時間があまりない多年草・宿根草を多めに使う

ただ、多年草・宿根草をずっと植えていると、庭の見栄えがなかなか変わりません。そこは一年草を入れ替えるか、植物を移植できる秋のシーズンに、少しずつ移植しながら見栄えを変えていくとよいと思います。

秋から始める庭づくりの作業カレンダー

植える順番は庭木が先ですが、作業は時間のかかる一年草の種まきから始まります。下の表は、シリーズで書いた作業を時期ごとに並べたものです。左の時期を見て、今やることを確かめてください。

時期やること
8〜9月秋まき草花の種をセルトレイにまき、南側の日当たりのよい場所で育苗する
9〜10月花壇や鉢を置く場所の日当たりと向きを確かめ、庭木・宿根草を植える場所を決める
10月中目当ての球根を買い、植え付けまで保存する
10〜11月庭木と多年草・宿根草を植え付ける。見栄えを変えたい株を移植する
11月〜12月上旬残った場所に秋植え球根を植える
霜が降りなくなってから3号鉢以上に育った一年草の苗を花壇に植える

庭づくりでよくある失敗

日当たりを確かめずに植物を選んでしまう

場所の向きを見ずに植えると、西向きの場所では乾きすぎ、北向きや日陰の場所では弱ります。先に場所の向きと日当たりを確かめ、その場所に合う植物を選びます。

低木を入れすぎてしまう

低木は管理が楽ですが、木ばかりになると庭が華やかにならないので、庭木は1〜2割に抑え、多年草・宿根草で花と葉の変化をつくります。

植えっぱなしで何年も同じ景色にしてしまう

多年草・宿根草が多い庭は手間が少ない分、見栄えが変わりにくくなります。一年草を入れ替えたり、秋に少しずつ移植したりして、毎年庭の表情を変えます。

まとめ|今週末やること

庭づくりは秋に、場所の日当たりと向きを確かめるところから始めます。そのうえで庭木を1〜2割、多年草・宿根草を2〜4割植え、残りを一年草と球根で埋めます。割合は、管理にかけられる時間で決めてください。

今週末は、花壇をつくる場所と鉢を置く場所を見て、南・東・西・北のどの向きか、塀に囲まれて日陰になる場所かを書き出します。それぞれの植物群の育て方は、シリーズの各記事を参考にしてください。

次に読む

場所の特性がつかめたら、最初に決める庭木の配置へ進みましょう。バラと果樹の庭に合う低木の選び方|大きさ・葉色・配置で考えるで、一か所と一本の選び方を書いています。