皆様はトウモロコシを育てたことがありますか?
えっ、畑じゃないと育たないでしょ、と思われがちですがご家庭の花壇やプランター、鉢でも十分に育てることができます。
トウモロコシには非常に品種があり、お店で売っているものは定番のごく限られた品種になります。ご家庭育てるなら、大型のものやポップコーン専用のもの、白色の甘いもの、はたまた珍しい赤色のものなんかもあり、自分の好みの品種を育てて、手に入れることができます。
しかも、トウモロコシの家庭菜園でも良いところは2回蒔きできる品種があることです。通常は春先に種を蒔いて、夏に収穫します。しかし、品種によっては夏にもう一度蒔いて、秋に収穫することができます。
家庭で育てる場合、野菜の種を買うと結構量が多いので、使いきれなかったりします。2回蒔きできるなら、ちょうど使いきることができるようになります。
そもそもこのトウモロコシという野菜、使いどころが多い植物でもあると思います。
実は当然、甘くておいしいのですが、他にも穂先をドライフラーにしてもおしゃれだったりします。
また、トウモロコシは非常に広く根を張るので、植えた場所の土はよく耕されるので、その後に他の植物を植えやすかったりもします。
植えているときの見た目もすらっと上に立つ樹形をしているので、夏らしくてとても良く、個人的には鑑賞価値も高いと思います。
そんなトウモロコシですが、案外育て方がわからない方も多いと思いますので、今回初心者向けに解説をしていきたいと思います。
栽培スケジュール
3月:種まき
4~6月:生育期
7~8月:収穫
秋どりできる品種は7~8月にも種まきできます。
種まき・生育期
種まき
トウモロコシは移植を嫌う植物なので、そんなに多くの苗の流通が多くないので、種まきのほうが良いです。
今回写真で載せているのはナント種苗さんの白いおおものという品種になります。秋どりできる白トウモロコシの品種なのでおすすめです。
株間は30cmほど離して、3粒ずつ種まきをします。
被せる土にゼオライトを混ぜておくと、保水、保温効果が上がるので利用してみましょう。
種まきしたら、しっかりと水をあげてください。
初春の種まきは温度が足りないので、透明なビニールシートでトンネルを作る、不織布をべた掛けするなどの保温対策をしてあげたほうが発芽率が良くなります。
トンネル栽培の場合、4月になって暖かくなってきたらトンネルは取り外しましょう。
間引き
春になると芽が出てきますので、間引きをします。
目安としては葉が4枚の時に1本間引き、葉が5-6枚の時に1本間引き、最終的に各株が1本になるようにします。
写真は葉が4枚の間引きの時のものです。
育ちの悪い芽を取り除きます。
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追肥1回目
トウモロコシは肥料分と水分をよく欲しがるので、しっかり上げましょう。
1回目の追肥タイミングは最後の間引きが完了した後です。
葉が5-6枚になった時が良いです。
地植えの場合は土を痛めない有機肥料が良いでしょう。
プランター、鉢で栽培されている場合は、化学肥料のほうが向いています。
追肥2回目
2回目の追肥のタイミングは茎の先端に雄花の穂が見え始めた時です。
複数株を育てている場合は、数株で穂が見え始めたらあげるようにしましょう。
収穫
受粉
概要
茎の先端に穂が出てきた頃に収穫前の準備作業として重要な受粉作業を行います。
この頃になると茎から小さな髭が出てくるようになります。
この髭が雌花で、穂に咲いている雄花の花粉が受粉することで、髭1本1本が実になります。
穂が出て、花粉が付いています。
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茎に髭が出てきています。
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自然に受粉することもできるのですが、しっかりと実が詰まったトウモロコシにするためには人が受粉させたほうが確実です。
また、時期に気を付けるポイントがあります。
トウモロコシの穂は「アワノメイガ」という害虫を呼び寄せてしまいます。
「アワノメイガ」はトウモロコシに卵を産み付け、実を食害する天敵とも言える虫です。
ではこれらを踏まえて実際どうするのかを見ていきましょう。
やり方
茎から髭が出ていたら、穂を切り取ってしまいます。
切り取った穂を髭に手で均一に当てて、花粉を髭につけるようにします。
これで受粉作業完了です!
こうすることにより、しっかりと受粉させることができます。
また穂を早期に取り除くことで、「アワノメイガ」の予防にもなります。
このように穂を切り取ります。
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切り取った穂を手で直接髭にパンパンと当てます。
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収穫
しばらくすると髭の部分がだんだんと膨らんできて、実になります。
髭が完全に黒くなって、実がたわんだら、収穫のサインです。
実をたわんでる方へ傾ければ、簡単に収穫できます。
収穫したら、外側の皮は剥ぎ取って、内側の薄皮を何枚か残します。
お湯を張って、薄皮が付いたまま茹でると最高においしいです!
皆さんも収穫目指して、育ててみましょう。