野菜

ナス-たくさん収穫するための夏の管理

我が家で育てているナスがだいぶ大きくなってきて、収穫できる時期になりました。
ナスはうまく育てれば秋まで十分に収穫できる野菜です。
しかし、長期で収穫するためにはこの時期にいくつかポイントとなる管理があります。
特に剪定作業が重要なのですがいくつか方法が結局どのやり方をすれば良いか分かりにくかったりします。
今回、家庭菜園に向いていると考えている方法を紹介します。
我が家のナスもこの方法で栽培しております。

はじめに

長く収穫するためには株を弱らせないことが重要になります。
ナスを育てたことがある人で始めは花がたくさん咲いて、実が収穫できたが、だんだんと花が咲かなくなったり、花が咲いても実が成らなくなったという経験をしたことがあるのではないでしょうか。
これは株が老化して、弱っていくためです。
ナスは何もせずに放任で育てていくとどんどんと栄養分を使って、花や実をつけようとします。大きな畑であれば問題ないですが、家庭菜園の花壇やプランターで栽培していると栄養分が足りずに、徐々に株が弱ってしまいます。
株を弱らせてしまうと実を付ける力がなくなり、枯れることはありませんが、実を付けられない株としてずっと残ってしまい、思ったより収穫できなかったということになります。

どういったことに気をつければ、株を弱らせることがないのか。
病害虫の発生や水切れになると当然、株は弱ります。
しかし、そういった基本的なこと以外でも株を弱らせる大きなポイントが3つありますので、紹介します。

  • 実を大きくしない
  • 定期的な追肥
  • 枝の剪定

実を大きくしない

夏になるとナスはどんどん花を付けて、たくさん実になります。
ここでポイントなのが、実が大きくなる前に採ってしまうことです。
お店で売っているような大きくて立派なナスまで育てたい!っという気持ちは十分にわかります。
しかし、十分に肥えた畑ではない、家庭菜園の場合は大きくし過ぎてしまうと株を弱らせることになり、長期間に渡って収穫できなくなってしまいます。

長く収穫するために小ぶりのナスをたくさん収穫することを心がけましょう。

定期的な追肥

一番花が実になったら、小さいうちに採ってしまいましょう。この実ができた後は、どんどん花、実が付くようになるので、定期的に追肥が必要です。
収穫期間中は1か月に1回の頻度になります。
あげる量は肥料の種類によりますので、パッケージの説明を読んで適切な量をあげましょう。

枝の剪定

この作業が非常になります。
収穫が始まってくるとナスが栄養分を使い過ぎないように樹形を整えてあげる必要があります。
放置した状態でも実を採ることができますが、剪定した時と比較すると株が早く弱ってしまうので、最終的な収穫量に差が出てきます。

まず現状の我が家のナスの状態です。
3本仕立てに整えてから、少し見ない間にだいぶ枝が伸びて、花、実が付いてきています。
このまま放置すると株が弱ってしまうので、剪定していきます。

樹形を整えるポイント

樹形を考える上でのポイントは3つになります。

  • 実と地面との距離を長くしない
  • 1つの枝に実を付けすぎない
  • 枝が込み合わないようにする

実と地面との距離を長くしない

実を付ける野菜全般がそうですが、地面から実までの距離があるほど水を送るために栄養分を使います。
ナスは剪定によって、実ができる位置を調整できるので、地面からの距離を長くしない樹形を作る必要があります。

1つの枝に実を付けすぎない

1つの枝に実がいくつも付くと送った水が分散されてしまうので、大量の水を送る必要があり、株が疲れてしまいます。
また、実が大きくなりにくくもなります。

枝が込み合わないようにする

剪定の基本になりますが、枝が交差したり、平行させたりして、込み合う樹形は避けるようにしましょう。
夏の蒸れや病害虫発生につながります。
枝が重ならないように上から見て放射上に仕立てるのが良いでしょう。

1枝1果の剪定

上記のポイントを押さえた上でおすすめの剪定方法が1枝に1果だけ付けるやり方です。
畑のように肥えた土壌ではない家庭菜園ではこの方法が水分の巡りを効率的に抑えられるの最適だと考えております。

ナスの枝のメインとなる主枝が2~3本ありますが、この主枝から伸びてくる脇芽の枝に1つだけ実を付けるように剪定します。
脇芽からさらに脇芽が分枝することもありますが、基本的には切ってしまいましょう。
根元に近いのであれば、伸ばしても大丈夫です。

主枝自体にも実が付きますが、これは数を絞らずいくつでもつけましょう。主枝は水分の通りが良いので。

このように脇芽の枝に実を1つだけにすることで、地面からの距離が長くならずに株が弱ることを防ぐことができます。

やり方

これが脇芽の枝です。
花が2つ付いていて、根元に近い方の花が実になろうとしているのがわかりますでしょうか。

この枝を実が1つになるように剪定します。
切ったときに先端に葉を2枚付けるようにしましょう。
葉をつけておかないと水分の巡りが悪くなります。

これで実が1つになりました。

他の枝でも同様に剪定します。

この剪定作業を全て脇芽に行えば、OKです。
少し手間ですが、定期的にこの剪定作業を行いましょう。

主枝はどうするのか

主枝は放置するとどこまでも伸びてしまいます。
土壌や品種にもよりますが、1mいかないぐらいを目安に切って止めてしまいましょう。

注意点

剪定作業は晴れた日が続いたときにやりましょう。
夏時期は切り口から病気が入りやすいので、雨の前は特に避けるようにしてください。

秋に向けて

ナスをある程度収穫したら、秋に向けて新しい枝を出させるために大きく切り戻して、真夏はお休みさせることが必要です。
目途としては7月下旬~8月上旬にはやってしまいましょう。
また、夏の猛暑や病気で株が弱った場合も早めに切り戻すことで秋までに復活する可能性があります。

夏の切り戻し剪定、根切り

我が家のナスも夏の猛暑でボロボロになってしまいました。。

切り戻して復活を試みます。
株全体の枝が1/2になるように切り戻します。
切る場所の下から新芽が出てきていることを確認しながら切りましょう。

剪定が終わったら、根切りを行います。
根を切ることで新しい根が伸びて枝が出やすくなります。
スコップで株の周辺の地面をザクザクと掘り、株全体の地面を軽く持ち上げればOKです。

秋にまた枝が再生するのを待ちましょう。