最近急に暑くなってきて、全国各地で梅雨入りが始まってきました。いよいよ夏になりましたので、忙しい夏場の作業を徐々にはじめていきます。
今回紹介するのはフェイジョアのこの時期のお手入れです。
昨年も投稿しましたが、このフェイジョアという果樹は年々と人気が出てきております。
あまり知られていないと思っていましたが、今年、園芸店で良く見かけるようになりました。去年よりも圧倒的に多くなったと思います。
常緑のシルバーリーフで樹木としての鑑賞価値も高く、南国風の花、実を付けるので、利用用途の多い植物です。切った枝は切り花やリースの材料としても重宝します。
そんなフェイジョアですが、6月からは生育期に入るので、グングンと枝が伸びてきます。
きれな樹形を維持するために、この時期必ず剪定が必要になります。
剪定しないと上へ上と枝が伸びてしまい、ホウキみたいな見た目の悪い樹形になってしまいます。
また、倒れやすい、折れやすい樹形なので、生育にもすごく悪いです。
この生育期にしっかりと芯止め(夏剪定)を行うことで、枝数が多くなり、こんもりとしたツリー状の仕上げることができます。
また、この時期ぐらいから開花が始まってきます。
実をしっかり収穫するためには、人工授粉をしておいた方が良いので、剪定と合わせてやっておきましょう。
毎年のことになりますが、6月の作業は非常に大事なので、昨年と重複するところもありますが、解説させて頂きます。
夏剪定
芯止め
フェイジョアの夏剪定はとにかく芯止めです。
5~6節または20cmごとに芯止めをすることで、こんもりとしたきれいな樹形に仕立てることができます。
現在のウチのフェイジョアの様子です。
品種はアポロとトラスクになります。
昨年と比べて、そこまで成長していませんが、一回り鉢増ししました。(9号→10号)
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6月になってダンダン新しい枝が伸びてきました。
この伸びた部分の先端を切ります。
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このように先端を切ることで、二股に分枝して、枝数が増えていきます。
この時期は枝が良く伸びるので、1回で終わらせるのではなく、都度確認して、伸びたら切るようにしましょう。
毎回、ハサミで切るのは面倒なので、手で摘んだ方が楽です。
新しい枝はとても柔らかいので、手で簡単に摘むことができます。
樹形整理
芯止めと合わせて、要らない枝を取るようにしましょう。
枝がまだ小さいウチに要らない枝を抜いておくことで、余分な栄養を使うことがなくなります。
また、枝が込み合わず、風通しが良くなるので、株全体の生育が良くなります。
切る枝は下向きの枝、同じ方向に平行に生えている枝(並行枝)、込み合っている枝です。
ただ、注意してほしいのがこの樹形整理はある程度大きくなった株に対して、行ってください。
だいたい3年目以降です。
植えたばかりの小さい株はまだとにかく枝数を増やして、光合成をしてたくさん栄養を作らせることを優先した方が良いので、小さい株の枝はあまり切らないようにしてください。
人工授粉
花が咲き始めるので、実を収穫する人は人工授粉を行いましょう。
フェイジョアは実を収穫するために、2種類の品種が必要になります。
ただし、アポロのように自家受粉できる品種は1本でも実を付けることができます。
いずれの場合もめしべを確実に受粉させるためには、この作業が必要になります。
花の様子
このように蕾から花が開いてきているころだと思います。
受粉は花が開き始めの時期が花粉がたっぷりとあるので、ベストなタイミングです。
写真はちょっと遅いですね。。
花をよく見ると中心に長い赤い突起があるのが分かりますでしょうか?
これがめしべです。
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人工授粉のやり方
人工授粉のやり方を説明します。
まず、綿棒や刷毛でおしべから花粉を採取します。
しっかりと黄色い花粉が付いていることを確認してください。
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花粉を採取したら、めしべに花粉をやさしく付けます。
力加減に注意してください。
写真はアポロなので、同じ木の花に受粉していますが、別の品種の花に受粉してください。
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最後にめしべに花粉が付いたことを確認すれば、完了です。
黄色い花粉が付いているのが分かりますでしょうか?
おしべのように先端が黄色くなっています。
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この時期はどんどんと花が開花してきますので、少し手間ですが、都度受粉していきましょう。
この作業により、実ができる確率が上がっていきます。
最後に
いかがだってでしょうか。
フェイジョアの生育期と開花が始まるこの時期は、年間を通してもかなり忙しい時期です。
また、この時期は枝がすごく伸びるので、夏の台風に備えて支柱を増やしておきましょう。
この時期に手間をかけることで、美しい樹形を仕立てることができ、秋の収穫が充実したものになりますので、皆さん頑張りましょう!