秋植え球根の植え付け時期は11月から|掘り上げと庭での選び方
こんにちわ、朝晩がひんやりしてきて、園芸店に球根がずらりと並ぶ季節になりました。秋の庭づくりシリーズは、一年草の種まき、庭木の選び方、多年草・宿根草の選び方と続けてきて、今回の球根で最終回です。庭木と多年草・宿根草で庭の形が決まったら、空いた場所に入れていくのが球根です。この記事では、球根と宿根草の違い、秋植えと春植えの選び方、植え付けの時期、掘り上げと保存、鉢で楽しむデッカー植えまで、庭で育ててきた球根の写真で紹介します。
結論
球根は、庭木で骨格を、宿根草で肉付けを決めた後、空いた場所に入れる「季節の主役」です。宿根草と同じように毎年咲かせられますが、掘り上げて場所を動かせるのが大きな違いです。秋植え球根の植え付けは11月から12月上旬。早く植えると芽が先に出て冬の寒さで傷むので、急がずに植えます。ただし球根は9月から売り出され、10月末には出そろって新しく入ってこなくなるので、買うのは今のうちです。
やることは3つ。①目当ての品種を10月中に買って保存しておく、②毎年咲くものか、1年で終わりやすいものかをパッケージや説明で確かめる、③咲く時期を見て、庭の空いた場所に配置する。やらないことは2つ。10月のうちに急いで植えること(芽が早く出て寒さで傷む)、弱い球根を植えっぱなしにすること(夏の暑さや冬の寒さで腐りやすい)です。
この記事で紹介する球根を育てている庭の条件です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域 | 茨城県(関東平地) |
| 植え方 | 地植え中心 |
| 庭の環境 | バラが主体の庭。塀ぎわの花壇と、石組みの花壇がある |
| 写真 | 2023〜2025年に庭で撮影(デッカー植えの図はイメージ画像) |
球根と宿根草の違い|掘り上げて動かせる
球根は、植え付けておくとそのシーズンになって芽を出し、花が咲き、枯れた後もまたその球根でもう一度花を咲かせられる植物です。毎年咲くという役割は、多年草・宿根草によく似ています。宿根草が同じ場所でずっと根を張って大きくなっていくように、球根も球根自体が大きくなったり、分球(ぶんきゅう・球根が分かれて数が増えること)したりして、増えたり大きくなったりします。
大きく違うのは、植えた後に動かせるかどうかです。宿根草は掘り上げると根が切れてしまうので、大きく育てるためには動かさないのが基本です。一方、球根はシーズンが終わって掘り上げれば、簡単に場所を動かせます。ここが一番の違いです。
| 比べること | 多年草・宿根草 | 球根 |
|---|---|---|
| 毎年咲くか | 咲く | 咲く(1年で終わりやすい種類もある) |
| 増え方 | 同じ場所で根を張って株が大きくなる | 球根が太る・分球して増える |
| 植えた後に動かせるか | 動かさないのが基本(根が切れる) | 掘り上げて簡単に動かせる |
| 庭での役割 | 庭の肉付け(2番目に場所を決める) | 空いた場所に入れる季節の主役 |
もう一つの魅力は花の大きさです。球根には栄養がたっぷり蓄えられているので、大きな花が咲くものがよくあります。特にユリは、一輪でも庭の景色が変わるほどの迫力があります。
秋植え球根と春植え球根の違い|植える時期と代表種
球根には、秋に植える球根と、春に植える球根の2種類があります。秋に植えたものは早春から初夏に、春に植えたものは夏に咲きます。
| 種類 | 植える時期 | 咲く時期 | 代表的な球根 |
|---|---|---|---|
| 秋植え球根 | 11月〜12月上旬 | 早春〜初夏(ユリは初夏〜夏前) | チューリップ、ムスカリ、ラナンキュラス、スイセン、クロッカス、スノードロップ、ユリ |
| 春植え球根 | 春 | 夏 | ダリア、グラジオラス |
一般的なのは秋植え球根で、皆さんがよく知っているチューリップやムスカリ、ラナンキュラス、スイセン、大きなところではユリやリコリス(リコリスは夏の終わりに植えて秋に咲きます)もあります。種類が多いのは秋植え球根なので、庭づくりの秋に一緒に考えておくと選ぶ楽しみが広がります。

春植え球根は、夏の庭を彩ってくれます。庭ではダリア「アルナ」を育てています。

球根の植え付け時期は11月から12月上旬
秋植え球根は、急がずに植えます。植え付けるのは11月に入ってから12月上旬までの間がベストです。
早く植えてしまうと、その分まだ暖かいので芽が先に出てしまいます。出てきた芽が冬の寒さで傷み、株自体を弱らせてしまうのがデメリットです。だから球根は、低木を植え付けて、多年草・宿根草を植えた後、11月に入ってからゆっくり植えていくのがよいと考えています。

球根は10月中に買っておく
植えるのは11月からですが、買うのは早めがおすすめです。球根は9月ごろから販売され、10月末にはほぼすべての種類が出そろいます。10月末を過ぎると新しい球根は入ってこないので、目当ての品種や種類がある場合は、先に買って保存しておくのが大事です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 9〜10月 | 球根が売り出される。目当ての品種を探して買う |
| 10月末 | ほぼ出そろう。これ以降は新しく入ってこない |
| 11月〜12月上旬 | 庭木・宿根草の後に、空いた場所へ植え付ける |
掘り上げと保存|秋植えは梅雨、春植えは11月
球根の作業の中で大事なのが掘り上げです。ムスカリやクロッカスのような強い球根なら植えっぱなしでも大丈夫ですが、基本的には、秋植え球根は夏の暑さや蒸れで腐ってしまう可能性があり、春植え球根は冬の寒さで傷んで腐ってしまう可能性があります。それぞれ苦手な季節の前に掘り上げます。
| 種類 | 掘り上げる時期 | 保存のしかた |
|---|---|---|
| 秋植え球根 | 梅雨の季節(ユリは秋。11月がベスト) | 風通しのよいところで保存する |
| 春植え球根 | 夏のシーズンが終わり、冬に入る前の11月 | ピートモスを入れたジップロックに入れて、室内で冬越しさせる |
夏に強い球根は、葉を残して11月まで粘って掘り上げる
夏の暑さに弱くない球根は、なるべく土の中に埋めておきます。オリエンタルユリがその代表です。花が咲き終わったら花首だけを落とし、茎と葉はずっと残しておきます。そうすると葉が光合成をして、球根に栄養を蓄え続けてくれます。
そして、冬になるギリギリの11月まで粘ってから掘り上げると、大きく太った球根で次の年もまた咲いてくれます。暑さに弱い球根は早めに掘り上げる必要がありますが、強い球根は茎と葉を残して光合成させ、栄養を蓄えさせることが大事です。

秋植え球根の掘り上げの手順は、秋植え球根の梅雨前の掘り上げの記事で詳しく紹介しています。
植えっぱなしで毎年咲く球根と、1年で終わりやすい球根
球根は掘り上げれば毎年使えると書きましたが、球根の中には毎年咲くものと、毎年は咲かせにくいものがあります。
皆さんがよく知っているチューリップは、ほとんど一年草扱いで、毎年花を咲かせることができません。チューリップでも、小さな原種系チューリップなら毎年咲かせることができます。ほかにも、ムスカリやスイセン、定番でよく植えられるユリも毎年咲かせられます。
| 分け方 | 球根の例 |
|---|---|
| 毎年咲かせやすい | 原種系チューリップ、ムスカリ、スイセン、ユリ、クロッカス、スノードロップ |
| 1年で終わりやすい | 一般的な(交配種の)チューリップ |
毎年咲くかどうかは、パッケージや販売ページの説明に書かれていることが多いので、買うときに確かめてください。

咲く時期を見て庭に配置する
球根の性質がわかったら、次は咲く時期です。チューリップは春に咲きますが、ユリはバラのあと、初夏から夏前にかけて咲きます。球根それぞれの花のシーズンを見ながら、庭の中の適切な場所に植えていくのがよいと思います。
庭づくりの順番でいうと、球根は庭木と多年草・宿根草で場所を決めた後、残った場所に入れていく植物です。毎年出てくる球根と、1年限りになりやすい球根をうまく組み合わせると、植えっぱなしで毎年の景色をつくりつつ、毎年少しずつ新しい花も楽しめます。

鉢植えならデッカー植えも楽しい
ここまで地植えの植え方を説明してきましたが、球根は鉢植えでも、地植えと同じ時期に植えて育てられます。
少し変わった植え方に、ダブルデッカー、トリプルデッカーと呼ばれる植え方があります。いくつかの球根を、土の中で層に分けて植えることで、一つの鉢で一度にいろいろな種類の球根を楽しめます。下の段に大きな球根、上の段に小さな球根を置き、層のあいだに土をはさんで重ねていきます。


| 段 | 入れる球根の例 |
|---|---|
| いちばん下 | スイセンなど大きな球根 |
| 真ん中 | チューリップ |
| いちばん上 | ムスカリなど小さな球根 |
| 土の表面 | ビオラなどの一年草の苗 |
デッカー植えは私もまだ試したことがないのですが、鉢一つで花のリレーが楽しめる植え方なので、ぜひ試してみてください。
毎年植えている、おすすめの球根
球根は、一年草とも多年草とも違い、出し入れが簡単にできるところと、大きな花が咲くところが魅力です。ここからは、季節感を大事にしたくて毎年植えている球根を紹介します。
スノードロップ|春一番に咲く
スノードロップは、2月ごろに真っ先に咲いてくる球根です。これが咲くと春の訪れを感じられるので、季節感が味わえて気に入っています。咲く時期がクリスマスローズと重なるので、組み合わせてもきれいに見えます。

スイセン|早春に咲く
スイセンは、スノードロップに続いて3月ごろに咲く早春の球根です。毎年咲かせられる球根なので、一度植えると早春の庭の定番になります。

チューリップ・ムスカリ・クロッカス|春を感じる
春を感じられる球根として、ムスカリやクロッカスは植えっぱなしで毎年咲かせています。チューリップは毎年買うのは少し面倒ですが、毎年違う花を選べるのが楽しみでもあります。
ユリ|バラの後のリレーを締めくくる
ぜひ皆さんに植えてほしいのがユリです。庭はバラを主体に構成していて、春にバラの花がバーッと咲き、その後に宿根草やアジサイが咲いて、リレーの最後、夏前にユリがバーッと咲きます。特に、オリエンタル系の大きなユリのカサブランカやコンカドールがおすすめです。バラと宿根草の後をユリでつなぐリレーがうまくでき、迫力もあり、毎年使えるところも気に入っています。



球根でよくある失敗
10月のうちに急いで植えてしまう
球根が手に入るとすぐ植えたくなりますが、暖かいうちに植えると芽が先に出て、冬の寒さで傷みます。買った球根は保存しておき、11月に入ってから植えます。
目当ての品種を買い逃す
10月末を過ぎると新しい球根は入ってきません。植え付けは11月からでも、目当ての品種は10月中に買っておきます。
チューリップが翌年も咲くと思ってしまう
一般的なチューリップはほとんど一年草扱いで、翌年は咲きにくい球根です。毎年咲かせたいなら、原種系チューリップやムスカリ、スイセン、ユリを選びます。
弱い球根を植えっぱなしにして腐らせる
秋植え球根は夏の暑さや蒸れで、春植え球根は冬の寒さで腐ることがあります。強い球根以外は、苦手な季節の前に掘り上げて保存します。
まとめ|今週末やること
球根は、庭木で骨格を、多年草・宿根草で肉付けを決めた後、空いた場所に入れて季節を彩る植物です。宿根草と同じように毎年咲かせられる一方、掘り上げて動かせるので、毎年少しずつ庭の表情を変えられます。これで秋の庭づくりシリーズは、一年草・低木・多年草と宿根草・球根の4つがそろいました。
今週末は、庭の空いている場所と咲かせたい季節を見て、目当ての球根を買っておきます。パッケージで毎年咲くかどうかを確かめ、植え付けは11月に入ってから12月上旬までに行いましょう。
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- オリエンタルユリ「カサブランカ」の球根(楽天/Amazon) 白い大輪で、バラの後のリレーを締めくくります。
- 原種系チューリップの球根(楽天/Amazon) 小ぶりで、毎年咲かせられます。
- ムスカリの球根(楽天/Amazon) 植えっぱなしで毎年咲く、春の青い花です。
- スノードロップの球根(楽天/Amazon) 2月ごろ、春一番に咲きます。
次に読む
シリーズ第3弾の宿根草と多年草の違いと選び方では、球根の前に決める多年草・宿根草の配置を書いています。第2弾のバラと果樹の庭に合う低木の選び方、第1弾の秋まき草花5種をセルトレイで育てるとあわせて読むと、庭づくりの順番がつながります。
